0094/日々の毎日の空気  /消費に明け暮れているみなさまへ

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売るものがある人はしあわせっ!



かなり前の話しだが、近所に住む顔見知りの人に誘われ、なんだかあやしげな講演会に行くことになった。会場は新宿では有名な損保系のビルの中にある大きなホールだった。階段の途中には無理して着飾っているような庶民のおばさんたちが集まって開場を待っている。



この集まりが健康食品系のネットワークビジネスであることは知っていた。階段で並んでいるおばさんたちも「これを飲んでいれば癌にだってならないのよ」などのような会話が聞こえた。ホントにそんなことまで信じさせているのか。ここまで来れば、もう宗教だ。ここではどんな洗脳技術を使っているのだろう。本日はこの集団の実体でも視察して帰るとするか。ちょいとした潜入ルポ気分で会場に入った。



えーーー。みぃなさまぁ、本日わぁー、よぉーこそお越し下さぁい、ましたー。というご挨拶から始まった。みなぁさぁーん、このジュースを飲んでいればーぁ、病気にもならなーくぅ、毎日ぃを、若~々しく送れますからねぇ~。などと言うわりには、どう見てもただのおばさんだ。若々しくはどう見ても感じられない。



ここはやっぱり嘘つき講演会だーって思いながら聞いてはいたが、ぼくを連れてきた隣に座る顔見知りは、いっしょうけんめいに拍手をしていた。何しろこの顔見知りは、このネットワークビジネスのおかげで月収500万とか言っていた。ホントかどうか、それは知らない。



3人くらいのおばさんの話しが終わると、ちょっとした紳士が登場した。ビシッとスーツを着こなし、背筋だってシャンと伸びている。髪も綺麗に分け目を入れ、話し方もまともに聞こえる。どうやらこの人だけはこのネットワークビジネスの会員ではなさそうだった。いわゆるゲスト。この人も誰かから頼まれて呼ばれて来ただけなんだ。どうりで品が良く、クレヴァーな雰囲気を持っていると思った。



ぼく今でもこの人が語った話しを覚えている。もうかれこれ10何年も前の話しなのだが、忘れてはいない。もちろんその内容は、このネットワークビジネスのシステムのものと絡んでのものなのだろうが、ぼくはビジネスなんかには興味はない。でも経済学には関心がある。ビジネスと経済学とはまるで違う世界なのであるから。



その人が語るには、こうだ。一般の人々は、日々消費して生きることばかりだ。買ってばかりの毎日だ。買うために働き、働いたお金で買う。買って買って買ってばかりの生活なのだ。どうしてこうなのだ。買ってばかりの生き方なんて。そんな生活は一番下の階級でしかないのです、みなさん!と来た。



なるほど。一般の人たちに向けて、毎日を消費だけの生活しかしていない自分を自覚させる話題から入っているのだなと。しかもそれを下層階級のようだと思わせておいて、そのうっぷんをビジネスをすることに眼を向けさせるキッカケを作るストーリーを展開させているのだな。と、聞いていれば言いたいことはすぐわかった。



たしかにぼくも、そう言われてみれば「消費ばかりする毎日」だ。そのように言われれば返す言葉もない。人は消費せずに生きてはゆけない。どこかの経済学者が言った言葉だ。消費して、買い物して、買わされて、つい買ってしまってばかりだから、みなさん生活がキツイでしょ?だからビジネスをしましょう。というような展開でオチる組み立てなのだろうと、だいたい察しがつくような話しぶりであった。



しかしその人がここまでの話ししかしない人であれば、ぼくは「クレヴァー」なんて褒め言葉は使わない。



あれやこれやと語り、そして最後に、その人は言った。しあわせについて語った。その言葉は、ぼくの心の中にも刺さった。それは、ぼく自身にも当てはまる言葉だったからだ。さきほどまでの、人は消費してばかりの話しでは、聞いていてもだんだん追いつめられてゆくような気分だったが、今度は違った。



売るものを持っている人はしあわせです。



どことなく、感動した。決して、大きな感動ではなかったが。その感動の波は、なんだか今も消えずにちゃんとある。ぼくは短期のアルバイトとかは別として、給料を貰って生きてきた経験がない。給料を貰うというのは、毎月決まった金額だろうし、何かを買えば、その分お金は減る。何も買わなけりゃ冷蔵庫には何も入っていない状態が続く。


お金は使えば無くなる。貯めようとすれば何も買えない。決まったお金の中でのやりくり。そんなつましい生活感を、さっきの話しで疑似体験させられた気分だったのだ。ここに集まっているおばさんたちは、だから健康食品を売りましょうよという展開に持っていって来た人を勧誘するのだろう。「売るものを持っている人はしあわせなのよ」と。どうせそのフレーズをそっくり丸投げで使うのだろう。



だいたい全体を通して、この講演会はあやしげなネットワークビジネスの勧誘ではあったが、意外にこんな気持ちで帰れた。それはどれでよかった。あのクレヴァー氏はいまはどうしているのだろう。なかなか深い彫りの顔だった。



陽に焼けて、何かスポーツでもかしているのだろう。あるいはオープンカーに乗り、太陽を浴びながら焼けたのだろうか。ヨーロッパの文化についての話しをしているときのクレヴァー氏は、本当に背後に実話の雰囲気がただよっていた。



人はだれも、自分のしあわせを確認しながら生きている。自分は生きていてしあわせなのだろうか?ではしあわせって一体なんだろう?人に愛されることがしあわせなのか、人を愛することがしあわせなのか。人は常にしあわせチェックをしながら生きている。



そして、ぼくもぼくなりに考える。

ぼくは自分の手を見て、「だいじょうぶ、ぼくは売るものを持っている」と、自分エネルギーを見て確信をした。





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by shirano-yu | 2014-04-24 11:48 | 日々の毎日の空気

いきなり外の世界に心を向けようとしないで、いったん自分の脳の中に入りましょう。そこには自由で思い通りの世界があります。まず自分の脳の中に入って、そこからあらためてコントロールをするという手もありますから。


by りゅう